先日の日記で取り上げたレミントンのサボットスラッグ弾、カッパーソリッドは、少なくとも私のパラドックス銃身で撃つと、実に集弾が良く、弾道もよく伸び、射程距離が長い、非常に使いやすいタマであります。50メートルレンジで委託射撃をすると、少なくとも2発なら、よっぽど注視しないと判別できないほど正確な同痕になりまして、100メートルでもゴルフボール大から外れる事はありません。しかも獲物に当たれば見事なエクスパンジョン。衝撃で弾頭が開き、直撃すればシカの心臓がまるごと消し飛んでしまうほどの威力があります。
ところでこのタマは名前のとおり銅で出来ております。銃弾と言うのは通常、比重が重いほうが良いので、鉛のムクや鉛を胴で覆ったものが主流であります。
これまで私は、わざわざ比重の軽い銅を銃弾に使うというのは、日本であれば北海道がそうなのですが、銃弾を原因とした鉛中毒が問題となりやすい、鉛弾が使えない地域を念頭に置いたものなのかなーと思っておりましたが、実はそうでもないようで。例えば、米国レミントンのサボットスラッグのラインナップを見ると、銅ムクの弾(カッパーソリッド)のほうが当たり前です。どうやらこの方が、特定の条件化で…特に猟用では使いやすい弾が作れるようです。
どういうことかというと、鉛を銅で被覆する場合、どうしても表面の銅合金は薄く、硬いものを使わざるをえません。鉛はもともと軟らかいので、それを覆う銅は薄いながらも一定の粘りと変形しにくさをもって形状を保つようにしないと、発射の圧力で変形したり、獲物の体内深くに進入する前に破砕されてしまったりして、エネルギーを十分に獲物に転移することが出来ません。
一方、銅のムクでタマを作れば、後ろから押し出す圧力に強く、変形しにくくなります。また、鉛を被覆するときほどの強度は必要ないため、獲物に当たったときに程よくつぶれて変形し、傷口を大きくする設計が容易になります。そのため、銅合金自体の硬さを落とし、比重を重くするような合金を使うことが出来るのです。たぶん。
たぶんなんていい加減な!と思われるかも知れませんが、英語のフォーラムとか公式のデータとか見ながら考えた結果であって、レミントンのエンジニアに聞いたわけではないのです。本当のところは、アホの考え休むに似たり、かも…。