28日の日誌を踏まえて、槍で生き物をとめる、ということに関して考察です。
はだしのゲンという漫画の中に竹やり訓練の光景が登場します。退役軍人の教官が、民間人に向かって敵兵を突き殺す方法を教授するときに
「槍を敵の体に突き刺すと、筋肉が硬直して引き抜けなくなるから刺したらすぐさま引き抜く」
旨、指導しておりました。
実はこの記述とよく似た話を、まったく別の小説でも見たことがあります。そこでは
「銃剣で刺突したときは剣が抜けなくなるので、ためらわずそのまま発砲し、反動で引き抜く」
との事でした。
イノシシやシカを刺殺した経験からいうと、刺したとたんに筋肉が硬直するというのは眉唾ですね。むしろ、皮膚の思わぬ硬さにたじろいで、上手く刃を突き入れることができないものです。刺したとたんに引き抜くどころか、獲物に体当たりして押しつぶすくらいの気合がないと傷すら付きません。
ただし、胴や頸の太い部分に刃を刺したままにすると、必ず獲物は大暴れして、骨に当たっていれば刃こぼれ、そうでなくても刀身が曲がってしまいます。槍ならまだしも、銃身に剣を取り付けた銃剣であれば、銃の照準までめちゃくちゃに狂うでしょうね。なので、理想的には渾身の力で刺したすぐさま後に引き抜く、ということになります。素人が、敵とはいえ人間相手にこれを実践するのはまず不可能でしょう。
槍で突くときには、射撃のようにモノを外すというミスは少ないでしょうが、殺す相手と目を合わせながら命をとめることになります。射撃以上に精神力が必要な技術です。