ますます暑くなっておりますが、皆様お変わりないでしょうか。
さて、初夏というのは一部の猟友会員や鳥獣保護員にとっては、非常に厄介な季節であります。というのはこの時期、アライグマの出産、子育てがあり、出没や捕獲要請が急に多くなるのです。
アライグマというのは北米原産の外来種であり、外来生物法で指定される「特定外来生物」であります。特定外来生物というのは外来生物の中で、特に生態系や人間の生活、あるいは産業に与える影響の大きい種類で、飼養、栽培、保管、運搬、輸入等が基本的に禁止されております。詳しくは環境省の解説をご覧ください。
外来生物の何が問題だという包括的な議論は他に譲るとして、現在現場で問題となっている防除の体制について指摘しておきます。
外来生物法は「特定外来生物を入れるな、育てるな、逃がすな、運ぶな」ということは明記しておりまして、はっきりといえば「特定外来は日本国内に存在しないことが望ましい。皆殺しにせよ」と謳っておるのです。にもかかわらず、それを誰が殺すかということは下位の施行令、条例でもはっきりと決められていないのです。
ひるがえって、アライグマの話です。農地にアライグマが出るから、自治体が駆除を猟友会に依頼する。これは問題ありません。しかし、アライグマは住宅地にも住み着いています。有害鳥獣駆除というのは、基本的に公共の場や、公共性の高い農地で実施するもので、個人の住宅敷地内の問題にはタッチしません。屋根裏のネズミを自治体が駆除しないのと同じことです。
ですが、家に住み着いたアライグマは子供を生み、どんどん増殖します。侵略的な外来種をこれ以上増やさないために、誰かが駆除をしなければなりません。
現在のところ、姫路市では猟友会員の中の有志が、ボランティアとしてアライグマの駆除を実施している場合が多いようです。
アライグマやヌートリアはまだ狩猟獣ですから猟友会で何とかしているのですが、外来法に定められた生物はそればかりではありません。爬虫類も魚も植物も指定されております。
たとえば、カミツキガメ。公園の池で巨大なカミツキガメを住民が発見した。子供がよく水遊びをする場所なので、危険だから取り除きたい。
しかし、カミツキガメは特定外来生物なので、捕獲したとしても自分で飼育することも、どこか遠くの水辺に連れて行って放すこともできません。捕獲した場所に即座に再放流することは合法ですが、それでは危険を取り除くことはできません。結局、殺さねばならないのです。しかし誰がそれをするか、までは外来生物法では決まっていない。
危険な外来種とはいえ、生き物は生き物です。繁殖や逸出しないように対策した上で、その個体が自然死するまで飼育するなど人道的な処置はできないものでしょうか。