今日の緊急駆除は久しぶりに危うい勝負でした。
袋ヅノとはいえ、結構なサイズの雄鹿がノリ網に引っかかって棚田の中で大暴れ。半径10メートルの中を走り回り、高低差を利用した勢いで突っかかってくるのをS保護員と2人で取り押さえ、ナイフが手元に無かったため鉄パイプと素手で息が止まるまで押さえ込む大捕り物でした。
なんとか鹿を車に積み込み、通報者と喋っていると
「今の時期、鹿は旨いでぇ! 今というかもうちっと後やな。大体クズの花が咲く頃が一番旨い!」
とのこと。
普通、野次馬のコメントは気に触るだけなのですが、この言葉は妙に琴線に響きました。
葛の花といえば晩夏の荒野に咲き誇るもので、私の田舎でも夏休みの終わり、盆も過ぎた頃にけだるく近所の堤防を歩き回ると、やけに鮮明な紫色が印象的でした。
雄の鹿は夏の間に脂肪を蓄え、秋の発情期、雌をめぐる戦いに備えます。まさに葛の花が咲く頃は雄鹿に脂が乗り切った時期であります。
前置きが長くなりましたが、これからの時期、雄鹿の滋味を味わうアバラ肉の炙り焼きのレシピを紹介します。
****夏鹿のスペアリブグリル ****
1. 鹿アバラ骨付き肉に塩、胡椒をすり込み30分寝かせる。
※大型のアバラなら骨1本で100グラム近い肉がついています。1人前1~2本程度でしょう。
2. フライパンを中火で予熱し、油を引かずにアバラ肉を並べる。5分程度、転がしながら焼いて表面に焦げ目がついたらワインまたは料理酒をふりかけ、蓋をして弱火にする。
※油がフライパンの底にたまるほど出ていたら、キッチンペーパーで取り除きます。
3. 10分ほど蒸し焼きにし、火を止めて余熱でさらに芯まで暖める。
※本当は肉の量によって加熱時間は変わりますが、グリル料理は勘と創意工夫が大事です。火の通り具合は様子を見ながら決めてください。
お皿にのっけたら手づかみで豪快に召し上がれ。ナプキンを添えるのを忘れないでください。
通常、油気が無く食味が悪いと言われる鹿ですが、夏のオスは特別。脂身も若葉の薫り高く、こんがりと焼き上げればビールのお供に最適です。ぜひ夏鹿のアバラ肉を手に入れてご賞味ください。