ふとある日、日没が早くなったことに気づいたら、猟期まで間もない。今年の解禁まであと2週間を切っています。
ここ数日、久しぶりの猟友からの連絡が続きました。
狩猟の悪いところは、一度その匂いを嗅いだら…自分が銃で獲物を倒さなくても、獲物に向かってタマが撃たれる瞬間を見ただけでも、火薬が燃える音圧を感じただけでも、狩猟から抜け出せなくなることです。
肺を引き締める、明け方の冷たく湿った空気。大きく肥ったカモの羽音、シカのひづめが地面を蹴る轟音。イノシシが藪を掻き分けるざわめき。山をふるわせる猟犬の咆哮。命がけで向かってくる獣と対峙する自分の技術、精神力。猟友との連帯。自分の命を繋ぐ食糧を自分で獲る喜び。ぬかるみに落ちた四駆を押し出す掛け声。すっぱいような、苦いような硝煙は何にも似ていない。
それに引き換え、日常は退屈です。女々しく小銭ばかり気にする上司。ご機嫌伺いが上手な同僚は出世する一方、筋を通せば煙たがられる。血と硝煙に程遠い職場。
人間は破裂音を聞くと興奮するようにできている生き物なのです。
何回か開催した狩猟見学会、銃を持つまでは至らなくても、みんなすっかり味をしめてしまいました。狩猟を見たい皆さん、ぜひお越し下さい。我々は動物愛護団体だろうがなんだろうが見学歓迎です。人間が一つの生き物として狩りをする様子をご覧下さい。