本日は朝にノリ網に引っかかったシカの処理、夕方に辻井の住宅街で側溝に潜んだアライグマ2匹の処理をしました。
朝のシカは30キロくらいの小物、1本ヅノの袋ヅノでした。網の遊びも小さく、危険性の低い案件でしたが、1発頭を殴った時に、雄には珍しい「ピィー」という悲鳴を上げました。
何度もやっているとはいえ、直に生き物を殺めるというのは気分の悪いものです。朝からこういうことをした後は、一日中怒りっぽくなります。
5時で勤務終了後に、姫路市より応援の要請。住民がアライグマを発見し、駆除してほしいとの事。完全に任務外の案件ですが、野生動物が関係したトラブルを看過することはできないので、S保護員と共に現場に向かいました。
通報者の住民の方に案内され現場を見ると、コンクリートの蓋の隙間から、側溝に潜むアライグマが見えます。側溝の一端はクッションで塞いであり、すでに袋のネズミ状態なのですが、側溝の蓋が硬く、やけにピッタリはまり込んでなかなか外れません。
蓋の隙間からキャッチオール(ワイヤー投げ縄)を差し込んで、アライグマの動きを止めたものの、蓋が動かないからどうしようもなく膠着状態。
近所の方から都合よくバールを貸していただいて、アライグマをおさえた一つとなりの蓋を外します。あせって引っ張りおこしたため、腰に鈍い痛みが。もしかして、イワせたかもしれません。まあどうせ安月給だから、イケナイ遊びができなくなるだけ節約になって良いと思っときましょう。
蓋が外れた場所から側溝を覗き込むと、ちょうどアライグマの尻尾が見えます。腕の付け根をワイヤーで締め上げているため、力も弱っているようです。おもむろに腕を突っ込み、尻尾をつかみます。
「尻尾捕まえたから、ワイヤーをいったんリリースしてください。引っ張り出します」
S保護員に伝えます。
「ほんまに大丈夫か? 暴れて走ったとめられんで?」
アライグマの凶暴さをよく知っているSさんは慎重です。そんな緊迫した場面で、頭の上から
「あんたら側溝の掃除か?」
という声が。見上げると、近所のおっちゃんのようです。
「ちゃいます、アライグマの駆除です。今引っ張り出すから離れとってください。危ないですよ」
と言うと、
「エー、熊がおるんか。そら大変やけど、仕事やもんな」
と力の抜ける一言。普段ならこういうのは無視しておくんですが、朝の一件から気が立っていたためか
「仕事やありませんよ!」
と強い口調で言い返してしまいました。自分で驚くほど強い語気でした。
100%本音を言えば、私はアライグマみたいな住環境に悪影響を与える害獣の始末は、地域の大人の仕事だと思っています。遠慮なしに言うたら、おっちゃん、あんたが隣近所の世話を見ぃひんから、見知らぬ保護員さんや私のような猟友会有志が、危険で、報酬もなく (保護員報酬は予算不足のためほとんど支給されないのです。猟友会有志は完全に無償です)、外聞も悪い仕事を、汗を流して、時には血を流して、経費は自腹で、怪我をしても保障も無いのに請け負っているんです。なぜそんなことをするかと言えば、自然環境保護の一環として、あるいは、ハンターの責任として、使命感にかられてやっているんです。ケモノがおって、住民が迷惑してて、なんとかしてくれ、と頼まれて。それを我が身可愛さに逃げたらハンター失格だと思いませんか?
アライグマって、目がくりくりっとして、毛がふさふさで、見た目は本当に可愛いんです。もしかしたらネコより可愛いかも知れません。さきほど愚痴るように「報酬も無く」と書きましたが、むしろ金もろてへんからできることかもしれませんね。こんな愛らしい生き物を殺して、1万円2万円もらったとしても、うれしくもなんともありません。むしろ矜持が削がれてますますしんどいだけでしょう。仕事やから仕方ない、では無く、仕事やないけど仕方なし、なんです。
湿っぽい内容で申し訳ありませんが、鳥獣行政の現場はこんなにも泥まみれ、血まみれ、不名誉まみれなのです。しんどい仕事を人任せにしたくないと思って参加した私でありますが、ちょっと愚痴りたくなってしまったのです。