久しぶりにうれしいニュースを目にしました。
私の狩猟活動の根本は
「人間が環境に捕食者として参加する。そのため、趣味の狩猟を振興する」
というもので、あくまで趣味として狩猟を楽しむことが、生態系と環境を「人間にとって」好ましく保つために有益だ、というモノなのです。
誰でも、生き物が殺されるところを見るとショックを受けます。ましてや、趣味で殺生をするハンティングを悪者扱いするのは、簡単なことです。
しかし、あなたが食べている食料、全ては何かの命を奪って口に入れて、あなたの命をつないでいるのです。モノを生きたまま食べ、吸収することはできません。茶碗の底に残った白米の一粒にだって、黄金色に風になびく立派な稲になる可能性があったのです。
ところで、狩猟の文化は死と終焉の文化です。全てのものがいつかは消えてしまうこと、人も動物も死から逃れられないことを、ハンターは日々意識しています。
反面、農耕は再生と復活、生命のコントロールの文化です。未開の地の呪術に限らず、いまだに日本で行われている、収穫が済んだ田を炎で焼き払う儀式。あれは稲の力を保ったまま殺すことで、来年の復活を約束させる儀式なのです。
消えることをよしとする狩猟文化は、現代の大勢である農耕文化の前に、放っておけば消えてしまうことは当たり前です。でも、消滅のほんの一歩手前で、人々が狩猟の値打ちに気づきつつあることは、素直に喜びたいと思います。
鳥獣:農作物被害や生態系悪化 円卓会議「秩序ある狩猟」提言 環境団体と認識共有
シカやイノシシなど鳥獣による農作物被害や生態系悪化が深刻化しているとして、官民でつくる「狩猟と環境を考える円卓会議」(座長・梶光一東京農工大教授)は29日、「一切の殺生を認めない考え方は問題で、秩序ある狩猟が必要」との提言を公表した。円卓会議は、敵対しがちな狩猟団体と環境団体が参画。捕獲の必要性で認識を共有したことは、今後の野生生物保護に一石を投じそうだ。【田中泰義】
農作物の鳥獣被害は全国で年間200億円に上る。また、知床(北海道)をはじめ全国で貴重な植物が食い荒らされる一方、特定の動物が増え、生態系のバランスも崩れてきた。しかし、ハンターの減少や捕獲に対する社会的な理解不足で、害獣対策は遅れてきた。
ハンターの全国組織「大日本猟友会」は昨年11月、日本自然保護協会など国内を代表する環境団体、学識経験者、長野県などでつくる円卓会議を発足、5回にわたり議論した。
その結果、日本では動物愛護の思想から殺生を忌避する考えがあるが、過度な保護や捕獲態勢の遅れが農林業被害の増加、生物多様性の劣化を招いたと指摘し、日本人と野生動物との関係は転換期にあると分析。増えすぎた動物の命を奪う意味を理解するための教育の充実▽捕獲の担い手確保▽捕獲した鳥獣の食料や毛皮への活用--などを求めた。さらに、食肉などを市場に流通させることは、捕獲に必要な経費の確保や山村の活性化、食料自給率の向上につながると指摘。提言には、参考図書や食材の入手先も盛り込んだ。
梶座長は「このままでは自然も人の暮らしも守られない。早急に行動しなければならない」と話す。環境省鳥獣保護業務室は「提言を尊重し、政策を充実させたい」としている。