ラッキーな見学の方がいらっしゃった日は、実は朝にも1頭止めております。猟場にかけられた囲いわなに、まあまあの雄がかかっており、棍棒で殴るのも手間なので銃撃することに。
囲いわなは鉄棒を溶接して組んであるので、万一にでも外すと跳弾を起こすし、わなを壊してしまうのでコトです。鉄柵の中まで銃口を差し入れて射撃します。しかし、シカも殺されるのを判っているので飛んだり跳ねたり大暴れ。なかなか狙いが定まりません。命中しても肉が薄いところだと弾が抜けてしまうし…結局肩口から心臓を撃ちぬく狙いで発砲、上手い事一発で倒す事が出来ました。
その後、見学の方との会話。
「やっぱりわなの中で逃げられないヤツを撃つのは心が痛みますよ。同じ捕らわれたやつでも、ノリ網で向こうから向かってくるのとか、体当たりしてくるイノシシは平気ですけど」
「ハンターでもそんなもんですか。そばで見ている方はちょっとかわいそうでしたけど」
「そんなもんです。僕らも人間ですから」
やっぱり止め撃ちは心苦しいし、外すわけにはいかないので、人に見られていると緊張します。
ところで、止め撃ちってせいぜい1~2メートルで発砲するのだから、跳弾や貫通の事を考えたら、なるべく細かいトリ用やクレー用の散弾を撃った方が安全なんじゃないでしょうか。2メートル以内ならワッヅごと飛ぶからひと固まりのまま獲物に当たるし、貫通の危険はないし、多分いけると思います。今度ノリ網処理で射撃できる機会があったら試してみたいと思います。