今猟期の解禁日、11月15日に石川県の能登島でイノシシが捕獲されました。
能登島は能登半島の東側の入江、七尾湾に浮かぶ島で、イノシシは生息してないとされてきました。
イノシシの捕獲や目撃がされた長崎町は、島の南東部にあります。ここからいちばん近い本州の崎山半島の間は、約1キロの海峡になっています。
能登島西部には橋がかかっており、また、海峡の幅がもっと狭く500メートル程度の場所もあるのですが、目撃情報や生息分布から南東部の海峡を泳いで渡ったと推測されているようです。
イノシシも他の多くの野生動物と同じく、そこそこの遊泳能力を持っている事はよく知られていると思いますが、1キロもの海峡を渡ったとは、ちょっと驚きです。
島に渡ろうというのは、偶然でもない限り、そこが棲みよい環境であろうと考えてやったことなのでしょうが、どこからその情報を得たのでしょうか。イノシシの視力は弱いので、対岸から島を目視して植生や環境を観察した可能性は低いでしょう。となると、嗅覚で何かを感じ取る事が出来たのでしょうか。1キロ離れた土地の臭気を感じると言うのは、人間の感覚ではちょっと想像できません。
能登島では、イノシシの渡来に、農業被害を心配しているようです。ということは、イノシシにとっては餌が豊富ということになるかもしれません。野生動物というのは本当に不思議です。