その後、ジビエ専門店のシェフと、肉料理の話をしてきました。
んで、やっぱり話題になったのが、生肉の美味。
本州のシカ肉は、生食するとモチーっ、ネチョーっとしたやわらかさがある。
これ、分厚く切ってしまうと、歯に着いて感触が悪いんですが、薄く切ってオイルを絡めたり、もしくは半解凍で食べると、味の広がりに厚みがあって旨いのです。
ところで、シカ肉の生食の安全性ですが、基本的には筋肉の内側には、食中毒の原因菌は居ないのが当たり前でして、じゃあ何故たまに食中毒が起こっちゃうのかというと、交差汚染、クロスコンタミネーションが原因なんですね。
解体中に、皮の外側に着いているドロを触った手で肉に触れた。まあ、それだけならトリミング(筋膜をはがす作業)した時に菌もいなくなるんですが、トリミングしたくず肉を触った手でサクの肉も触っちゃう、とかね。汚染源ときれいな肉が交差するからクロスコンタミネーション。ぶっちゃけ、これさえ気をつければ生食してもめったなことはない…。
とはいえこのご時勢、やはり野生の生肉を客に出すのはちょっと…ということで、食感を失わないで熱を通すために、現在はスチーム加温をしているそうです。
ローストビーフの中心部に赤みが残っているように、たんぱく質が変性しない程度の温度で、じわーっと熱を通す。芯温65度で5分以上っていうてはったかな。65℃5分はサルモネラ菌が死滅する基準ですね。
私はこの加工、風味も残っているし、安全だし、非常にいいものだ、と思ったのですが、シェフはそうでもないらしく…というのは、やはり生とは質感が違うし、私みたいに、生食が当たり前で、たまにスチーム加工のを食べるのと、スチーム加工の肉しか食べられないお客さんと、立場も違うし、何とかして生でお出ししたい気持ちはある、とのことでした。
まぁー、気持ちはわかります。本当に旨いものって、金出すだけじゃ食えませんもんね。
鹿の生レバ、赤身。ドブロク。醗酵でアルコール生成された梅酒。みな旨いけど、なんか法律に引っかかってて、商売で出すことは出来ない。
これを楽しむなら、会員制の秘密クラブを作るしかないね。生肉、密造酒、禁断の味。