関連バナー広告

イノシシのモツ煮

狩猟読本にも掲載されているメニューですが、最近はわざわざモツなんて食べなくても…ということで、実際には食べたことはないという方も多いようです。ですが、お肉は獲物を〆てから1週間程度熟成させた方が美味しい。一方、獲ったモノはすぐ食べたい! ということで、私は内臓料理も好きなのです。
  
 
 イノシシの内臓は、主に胃袋を使います。殺したあとになるべく早く胃を切り開き内容物を捨て去り、塩でもみ洗いします。
 
 鍋にたっぷりの湯を沸かし、切り開いたシシの胃をそのまま茹でます。茹だったらいったん取り出し、湯を捨てます。
 胃袋を細切りにして、圧力鍋でひたひたの水から煮立て、15分ほど煮ます。その後火を止め、圧が抜けたら砂糖、酒、味噌、生姜で味をつけ、今度は圧をかけずに煮込みます。良い感じに味がしみたら完成です。プルプルのやわらかーい食感になりますよ。
 
 ポイントは一回、味をつけずに茹でること。最初から味をつけると硬くなってしまい、再び軟らかくなるには3日ほど繰り返し煮込まねばなりません。
 
 胃袋以外の内臓も使えますが、腸は内容物の匂いがきつく、洗いにくい割りに食べるところが少ないです。肝臓はどうしでも血の味というか、レバー臭いのでほどほど混ぜるだけにしたほうがいいでしょう。
 
 猟師料理の基本は創意工夫と実践です。みなさまぜひ何処かからイノシシの胃袋を調達して、作ってみてください。