梅雨が明けての3連休、いかがお過ごしでしたか。
私は猟隊のメンバーで射撃に行っておりました。
射撃場に行く道すがら、何台かのバイクを見かけました。天気がよく乾燥しているので、暑くてもスムーズに走っている間は快適でしょう。
私が今日見かけたバイクのほとんどは大型、しかも過半は1,000cc以上の馬鹿でかいヤツでした。むしろ、その馬鹿でかいのが標準になっておるのです。大型二輪といえば、1997年に制度が改正されるまでは「限定解除」という合格率数パーセントの難関試験を通らなければ取れないものだったのですが、今では割と簡単に取得することができます。私でさえ持っている免許です。
大型二輪免許を筆頭に、その昔はできなかった車体の改造、高速道路での二人乗りなど、今日の状況は20年前のバイク乗りにとっては夢のような規制緩和、自由そのものでありましょう。
しかしながら、2000年代後半のバイクの売り上げと言うのは、ピーク時である1980年代後半と比べると1/10程度。もちろんこれは小型バイクも含めて数字であって、大型の輸入車に関しては当時よりも売れてたりするんですが、まあ国内バイク市場と言うのは、このバイク乗りにとって夢のような法制度になったにもかかわらず、死んだような状態なんですね。
この原因はいろいろあるでしょう。小型自動車が安くなったとか、若者の数自体が減っているとか。
さて、ここまでバイクの話をして、何を言いたいか、というと。私はバイクの販売不振と銃所持人口の激減に、相通ずる物があるんじゃ無かろうかと思うのです。
バイクと猟銃は、共に人間の本能的な快感、攻撃性を刺激し、開放する道具であります。
バイクの圧倒的な加速感。出足で2輪にかなう4輪はほとんどありません。全身でコーナーに飛び込み、機体と共に駆け抜ける一体感。ひたすら爽快で、調子よくバイクに乗っている間は、無我の境地と言うか、無敵感が全身に充満します。
翻って、猟銃。初心者でも所持できる散弾銃ですが、シカやイノシシの猟に使う9粒弾と言うのがありまして、文字通りドンと撃つと正露丸よりちょっと大きいくらいの鉛球が9つ飛び出すんですね。んで、この1つ1つが、おまわりさんが持ってるニューナンブの1発より強力なんです。
さらに、10年以上の経験者が所持できるライフルに到っては、ダダダっと連射ができない以外は軍用銃とほぼ同じ仕様のものも所持可能です。北海道での狩猟などで使われるマグナムライフルなら、一般的な歩兵銃をはるかに超える威力で、300メートル以内、すなわち、肉眼で見える人間ならほぼ確実に殺傷することができます。
こういう強力な道具を持って、人目のない山に入る。もちろん、気分は世界最強です。勝手知ったる山なら、誰にも負けない。例え軍隊が攻めてきても数日は持ちこたえるでしょう。バイクで疾走しているときとよく似た精神状態かもしれません。
ですが、人間、こういう万能感というか、パワーに心を奪われて、横柄になってはいかんのです。
機動力に任せて高速道路や峠道を我が物顔で走り回るバイクは、結局日本の公道からほとんど排除されてしまったような状態です。
翻って、ハンターはどうか。猟銃と言うのは、他人に与える恐怖感が半端ではない。言葉や態度で威圧しなくても、一般の人が銃所持者を見ただけで怖がるのも、ある意味当然なのです。
私自身、仕事中に、狩猟免許制度について狩猟者にいちゃもんをつけられ、その人は空気銃猟免許を持っている人だったのですが、非常にゾーっとしたいやな気分になりました。至近距離から首に撃ち込まれたら、空気銃でも死にますからね。逆恨みされて撃たれたらまったくたまったもんじゃありません。銃所持者というのは、本人に悪意が無くてもコワいものなのです。
だからハンターは、誰にでも紳士的に友好的に振舞うべきです。
バイクは法制度的に自由に、「売りやすく」なったのに、ほとんど消えてしまいました。スポーツカーもそうです。では、猟銃はどうでしょうか。今は規制が厳しい不遇の時代ですが、猟銃が売れないのは、その規制だけのせいでしょうか。